引き裂かれた絆 第4話


「あぁ、兄さん…」

レツのしなやかな指が、ゴウのマスクに伸びてくる。

「僕の兄さん。…大好きなゴウ兄さん…」

潤んだ瞳でゴウを見つめるレツ。
その顔はほんのりと上気し、さながら恋人を見つめているかのようだ。

「…やっ、…止めろッ!!…レ…!!」

『レツ』と言いかけて、ゴウは口を閉じた。

(こいつはレツじゃない!レツの姿をした幻だ…)

「兄さん。僕を犯してよ、兄さん…」

するとレツはゴウのマスクにそっと口付けた。

「やっ、止めろぉッ!!」

ゴウは懸命にレツを振り解こうとする。

「…どうして?」

レツが呟く。

「僕、こんなに兄さんが大好きなのに…」

その時、ゴウの下半身に何か硬い物が当たった。

「うわあああっっっ!!」

ゴウが悲鳴をあげる。
レツの股間。
男子としての象徴が大きく膨らみ、ゴウの太腿に当たっていたのだ。

「止めてくれぇッ!!」

ゴウが体を大きく揺さぶる。
だが、レツはしっかりとゴウに組み付いたまま、離れようとはしない。

「お前はッ、…お前はッ!!オレが知ってるレツじゃねぇっ!!」

「え〜?僕はレツだよ、兄さん…」

するとレツは、大きく勃起したそれをゴウのそれに擦り付けるかのように、腰を突き上げ始めた。

「あっ!!あっ!!」

その振動に合わせ、ゴウが声をあげ始める。

「あはっ!兄さん、やっぱり感じてるんだねぇ?」

レツが腰を突き上げるスピードを上げる。

「ああっ!!んっ!!あっ!!」

ゴウはそのたびに声をあげ、そしてピクピクと体を震わせる。

「…あれあれぇ?」

レツが素っ頓狂な声をあげる。

「兄さん、やっぱり感じてるんだぁ?兄さんのココ、大きくなってるよ?」

「うわあああっっっ!!」

ゴウが羞恥に叫ぶ。

「すっげぇ!兄さんのココ、凄くでけぇ!」

レツがヒャッヒャと笑う。

「太てぇし、長げぇや!こんなんで突かれたら、たまんねぇだろうなぁ!」

いつの間にか、ゴウのそれも大きく勃起し、黒と紫のスーツの中でクッキリと上向きに伸びていたのである。
そのくびれはスーツの中でもはっきりと分かり、見る者に妙な感情を抱かせるほどだった。
レツがグイグイと腰を突き上げる。

「たッ、頼むぅッ!!…もうッ、止めてくれぇぇっっ!!…レ…!!」

再びゴウが押し黙る。

「…兄さん?」

レツがニヤリとする。

「…うぅ…」

ゴウが俄かに震え出す。

「うわあああッッ!!!!」

突然、ゴウが絶叫し始めた。

「…もう少しですね…」

レツのかなり後方で事の成り行きを見守っていたロンがニヤリとする。

「…頭の中では、レツではないことは分かっているはず。…でも、姿形はレツ。低能なオツムのゴウにはその区別がつかなくなり始めているということか…?」

「あ、そっかぁ!」

レツが大声をあげた。

「何で兄さんが僕の名前を呼んでくれないのか、分かったよ!」

するとレツはゴウから一度距離を置いた。

「ビースト・オンッ!!」

レツが胸の前で手を組んだ瞬間、レツの体が輝き、ゴウと同じようにスーツを纏っていた。
光沢の鮮やかな青色のスーツに身を包んだ、ゲキブルーがそこにいた。

「…さぁ、兄さん。続きをやろうよ…」

レツが、いや、ゲキブルーがゆっくりとゴウに近づいて来る。

「これなら僕のことを『レツ』って呼んでくれるよね、兄さん?」

「…だッ、誰がてめえなんかのことを…!」

ゴウはそう叫んだ。
しかし、次の瞬間、ゴウは言葉を失った。

(…ちょ、ちょっと待て…)

今まで考えたこともなかった思考が、ゴウを支配しようとしている。

(…ここにいるのは、…ここにいるのは…)

徐々に頭が混乱してくる。

「…レ…ツ…?」

「…兄さんッ!」

レツが駆け出し、無我夢中でゴウに抱き付いた。

「…レ…ツ…」

メットの奥のゴウの瞳は輝きを失い、トロンとしているようにも窺えた。

「兄さんッ!ゴウ兄さんッ!」

レツがゴウを思い切り抱きしめる。

「…やっと、…やっと…!兄さんが僕を呼んでくれた!」

レツはそう言うと、再びゴウを見上げた。

「…兄さん。…もっと気持ち良くしてあげるね!」

「…」

ぼんやりとした意識の中で、ゴウはレツの声を聞いていた。


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