非番の情事 第36話


「…うっ、…クゥッ…!!」

センの足元で仰向けに倒れ、呻き声をあげているバン。

(…そのマスクの奥、その表情はどうなっているのだろう…)

ぼんやりと考えてみるセン。

(…目を潤ませているのかな?…それともまだまだで役になり切っていて、オレを睨んでいるのかな?)

あれこれと妄想の尽きないセン。

「…さっきの元気はどうした、デカレッド?」

センはそう言うと右足をバンの腹部に下ろす。
そしてゆっくりと力を入れ始めた。

「うぐ…ッ、…がああッ…!!」

バンが呻き声をあげる。
センはその足に徐々に力を込めていく。
バンの腹部に嫌でも足がめり込んでいく。

「オラオラ。もうギブアップか?」

センはそう言うと足を離した。
その代わりにそこへパンチを下した。

「ぐふぁッ!!」

何度も。
何度も。
その度にバンの体が腹部を中心にしてくの字に折り曲がる。
センは少しだけ力を加えているので多少はバンに効いているようだ。

「…う…」

やがてバンはグッタリとなり、何の抵抗も示さなくなった。

「そろそろお前を処刑する時かな?」

バンは相変わらず大きく息をしている。
足の中心、ペニスは膨らみを失い、ほんのわずかにスーツを持ち上げている程度だ。
しかも先端部分がうっすらと滲んでいる。

「…ま、…まだまだ…ぁ…ッ!!」

マスクの奥から声が。
バンだ。

「…オレは、…まだ、…負けちゃ…いねぇ…ッ!!」

「…へぇ」

センは思わず息が荒くなった。
サド的感情がセンを支配する。

「まだそんな元気があるとはな。嬲り甲斐があるよ、デカレッド」

センはそう言うとバンを跨いだ。
そしてバンの両腕を彼の両脇にしっかりとくっつけるように両足で固定した。
そしてそのままバンの腹部にどっかりと腰を下ろした。

「ぐふっ!!」

バンが声をあげる。

「…大丈夫かい、バン?」

役になり切ってはいるものの、少しだけ心配になったセンはバンに尋ねる。
すると、

「…大丈夫…だよ…」

と言う声がし、マスクが縦に動いた。

「さぁ、覚悟するんだな、デカレッド」

センはそう言うと両手をバンの首に掛けた。
そして少しだけ力を入れた。

「…ぐ…が…」

バンが顔を大きく仰け反らす。

「…や、…や…め…ろ…」

そう言ってセンの腕を振り解こうとする。
急にセンは腕を離す。
そしてその腕をそのままバンの肩から徐々に下の方へ下ろし始めた。

「お前の第一の弱点はここだ。もっと責めてやろう」

センはそう言うとバンの胸、乳首の周りで妖しく手を動かし始めた。

「…あッ、…はぁ…ッ…!!…やッ、…止めろォォッ!!」

バンが喘ぎ始める。
センの指がバンの乳首に触れるたびにバンはピクピクと体を跳ねらせる。
そのうち、バンの乳首がスーツ越しに勃ち始めた。
固くなったそれをセンはコリコリと引っ掻く。
そしてその指をどんどん速くし始めた。

「あああッッ!!」

バンが声を大きくする。

「やッ、止めろォォッッ!!止めてくれェェッッ!!」

バンがもがく。
と同時にセンの背後でバンのペニスが少しずつ蠢いているのを、センは感じ取っていた。


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