非番の情事 第2話


実を言うとセンはずっと前からバンに目を付けていた。
センはどちらかというと冷静に物事を判断し、的確な指示を出して仲間をリードするムードメーカー。
それとは対照的に、バンは何でも一人で片付けようとし、何にでも突っ込んでいく。
時々、見ていてハラハラさせられるその光景にセンも苛立つこともあったが、そんなバンを頼もしく思うこともあった。
そんなバンが、呼ばれてもなかなか部屋から出て来ないことがあった。

「セン。バンを見てきてくれ」

ドギーに言われ、部屋へ向かうセン。
バンの部屋に近付いた頃、センは異変に気付いた。

「…はぁ…、…はぁ…」

バンの部屋の扉が少しだけ開き、荒い息遣いが聞こえる。
と同時に、

クチュ、クチュ…

という淫猥な音までも。

「!」

中を見たセンは一瞬目を疑った。

「…ん…、…あぁ…」

バンが。
あのバンが自慰行為をしていたのだ。

「…」

センはその光景に釘付けになった。
バンの顔は赤く上気し、目を閉じ、恍惚な表情を浮かべている。
そして、バンのペニス。
右手が忙しなく上下するそれはかなり大きく、その先端ははっきりと剥けていて、素晴らしいものだった。

「…ッ!!」

気が付けば、センもその場で自身の勃起したそれをズボンの上から扱いていた。

「…あ、…あ…、…ああッ!!」

ビュクッ!!

そうこうしているうちにバンの喘ぎ声が大きくなったかと思うと、淫猥な音と共にバンが果てていた。
その全てがセンの性欲を掻き立てた。
バンを無茶苦茶に愛撫してやりたい。
そう思っていた。
そのチャンスは思ったよりも早くやってきた。

「おい、バン!これを倉庫に持って行って片づけておいてくれ!」

ドギーに呼ばれ、倉庫へ大きな荷物を持って行くことになった。

「分かりましたぁ!」

と言う元気なバン。
しかし荷物の量は半端じゃないほど多い。

「俺一人で片づけするのかよッ!」

と言うバンの呟きをセンは逃さなかった。

「俺も手伝ってやるよ」

センの爽やかな笑顔。
その裏に存在するおぞましい感情をこの時のバンはまだ知らないでいた。

「…センちゃん、ありがとう!」

感動の眼差しでセンを見るバン。
これから起こることも知らずに…。

「さっさと片付けて帰ろうぜ、センちゃん!」

倉庫に着くとバンはそう言い、

「さっさと片付けるために!」

と言って、

「エマージェンシー!デカレッド!」

と唱えた。
その途端、バンの体が光り、真っ赤な光沢のあるスーツがバンを包んでいた。

「フェイスまではいいや。暑苦しいから」

そう言うとクルリとセンの方を向いた。

「センちゃんも変身しちゃえば?その方がさっさと片付くだろ?」

「…あ、ああ…」

センはそう言うと、

「エマージェンシー!デカグリーン!」

と唱えた。
その途端、センは鮮やかな緑の、光沢のあるスーツに身を包まれた。
バンはせっせと片付けを始めた。
彼がしゃがみこんだりするたびに、彼のぷりんとしたお尻、前かがみにしゃがめばその股間の膨らみが、はっきりと窺えた。

(チャンスは今しかない!)

センの心臓が早鐘を打ち始めた。

(今しか、バンを犯すチャンスがない!)

そう思ったセンは意を決した。
そして静かに扉を閉め、静かにカギをかけた。
これで誰にも邪魔されることはない。

「…なぁ、バン…」

「ん?」

屈託のない笑顔でセンを見つめるバン。

「何?センちゃん?」

「この間、ボスに呼ばれた時、バン、来なかったよね?」

「…え?」

急に顔を真っ赤にするバン。
センはニヤリとした。

「バン、オナニーしてたよね?」

「!!」

更に顔を真っ赤にするバン。

「…セ、センちゃん?」

「俺、見てたんだよ。バンがイクところを」

そう言うとセンはスーツの中から携帯電話を取り出した。

「ほら、これが証拠写真」

携帯電話に写し出された画像を見た瞬間、バンの顔から笑顔が消えた。

「…何が言いたいんだよ?」

バンが半ば怒気を含んでセンに言う。

「俺に逆らわない方がいいかもよ?」

次の瞬間、センは正面からバンを思い切り抱き締めた。
バンの体が跳ねた。
そしてセンを見る。

「…センちゃん?」

信じられない表情でセンを見るバン。

「…な、何だよ、急に?」

それでもセンは何も言わずに再びバンを強く抱き締める。

「なッ、何すんだよッ、センッ!?」

バンがセンから逃れようと必死にもがく。
しかしセンはそんなバンを突き飛ばし、バランスを失ったバンは背後へひっくり返った。

「てめぇっ!!」

バンが飛び掛かる。
飛び掛かってセンの腰に手を回しているバンを思い切り振り払う。
よろめいた瞬間、くるりと後ろを向かせると、すかさずセンはバンを羽交い絞めにした。

「何すんだよッ、離せよッ!!」

バンが必死にもがく。

「…バン。ずっと君のことを想っていたんだよ…」

センはそう言うとバンの首筋にそっと口付けをした。

「!」

ビクリとなるバンの体。
そのままセンは右手を下の方へ下ろす。
そしてバンの股間の中心、男子の象徴、ペニスをスルリと撫で上げた。

「んああああっっっ!!」

いきなりのことでバンが悲鳴をあげた。

「…大きいんだな、バンのココって」

そう言いながらセンはバンのペニスをゆっくりと揉んでやる。

「あっ、あっ、…止めろぉッ!!」

そう言いながらもバンの体から自然に力が抜けていくのが分かった。
そしてそのペニスは少しずつ変化を見せ始めていた。


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