僕だけのヒーロー 第29話


それから数日が過ぎました。
いつものように竜也さん、アヤセさん、そしてユウリさんは営業に出かけ、僕はお留守番。
そしてドモンさんは。
タイムイエローとして、僕の開発したエビル・サンダーにすっかりはまってしまったのでしょうか。

「シオンん。オレを、…いやらしいオレを処刑してくれッ!!」

と、営業に出かけたはずなのに、上手い具合にみんなをまいて帰ってきていたのです。
そんなドモンさんの様子がいつもと違っていたのは、それから更に数日が経ってからのことでした。

 

「シィオォンん!」

いつものように部屋で機械を弄っていた僕の背後から、ドモンさんがいきなり抱き付いてきました。

「わっ!ちょ、ちょっとっ、ドモンさんッ!」

突然のことにちょっとビックリして僕は思わず声をあげました。
背後ではドモンさんがニコニコして微笑んでいます。

「またみんなをまいてきちゃった!」

「…ふぅ…」

僕は苦笑し、ちょっとため息を吐きました。

「ドモンさぁん。本当に僕の下僕になっちゃったみたいですね」

「おうよ!オレはシオン様の忠実な部下だからな!シオン様のためなら、いくらでもこの身を差し出すぜ!いくらでもオレのエネルギーを搾り取ってくれ!」

そう言うとドモンさんはいきなり服を脱ぎ始めたのです。

「ドッ、ドモンさんッ!?」

あっという間にインナー姿になったドモンさん。
相変わらず引き締まった体中の筋肉。
メンバーの中で一番の力持ちを誇示しているかのように、そのゴツゴツとした腕や足の肉付きがクッキリと浮かび上がります。
そして。
ドモンさんの股間の中心。
そこがいつもよりも大きく、臍の方に向かってインナーの中で勃起していました。
それに釘付けになる僕。

「…ちょっと甚振ってあげましょう」

僕も気が付けばズボンの前にしっかりとテントを張っていました。
するとドモンさん、

「実はさ、今日はちょっと違うんだな」

と言い、僕のベッドの上に座りました。
そして僕に向かっておいでおいでをしました。

「…ドモンさん?」

僕はドモンさんの横に座り、ドモンさんを見ました。
ドモンさんの顔が僕の目の前にあります。
ドモンさんの優しい笑顔。

「…シオン…」

ドモンさんはそう呟くと、僕の肩に腕を回し、僕の唇にそっとキスをしてきました。
何度も啄ばむように。
それが物凄く気持ち良くて。

「…ん、…ふ…」

思わず喘ぎ声をあげてしまいました。
その刺激に反応するように僕のアソコも少しずつ大きくなり始めていました。
それを見逃すようなドモンさんじゃありません。

「シオンのも勃ってるよ?」

ドモンさんの目が意地悪く笑い、いきなり僕を押し倒しました。
そして僕を体重で押さえ付け、僕の勃起したアソコをそっと撫で上げたのです。

「ああッ!!」

不覚にも声をあげてしまう僕。

「シオンん」

ドモンさんが僕をギュッと抱き締めます。
ドモンさんの大きなアソコが僕のアソコに当たっています。

「今日はシオンを気持ち良くしてやるよ」

突然のことにきょとんとなる僕。
とその間にもドモンさんはさっさと僕の上着のボタンを外し始めています。

「ちょッ、ちょっと待って下さいよッ、ドモンさんッ!!」

僕は慌ててドモンさんを退けようとしましたが、逆に手を掴まれてしまいました。

「…シオン…」

ドモンさんの顔から笑顔が消えていました。
むしろ真剣な表情だったんです。

「…ゴメン、シオン」

突然、ドモンさんが話し始めました。

「シオンが竜也を好きだと言うことは分かってる。でもオレはシオンが好きなんだ。シオンに忠誠を誓った時、オレは2人を見守るヒーローでいたいって言ったよな?でも竜也はいつまで経っても鈍感だし、シオンが不憫でならねぇんだ。それにオレもこのままではいつかは狂っちまう!だから…ッ!」

「…僕としたいってことですか?」

するとドモンさんは目をギュッと閉じ、静かに頷いた。

「1回だけでいいんだ。1回だけ。そしたらオレはその後は完全にシオンの部下になる。だからといってシオンが嫌なことはしない。シオンのしてほしいことしかしない」

…そりゃ、僕だって普通の男の子です。
だからエッチに興味がないなんてことはありません。
ドモンさんが僕を好きだっていう気持ちも分かるし、凄く嬉しいんです。
でも僕は…僕は竜也さんが好きで…。

「…やっぱり、…ダメか?」

ドモンさんの寂しそうな顔。
その顔を見るだけで僕は限界に達しました。

「…クロノチェンジ…」

次の瞬間、

「シッ、シオンッ!?」

というドモンさんの声を聞いたような気がしました。


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