課外授業 第33話


…チュブ、…ジュブ…

淫猥な音が静かな部屋に響く。
と同時に、

「…うむ…、…ん…」

という微かに息を弾ませる声。
マジレッドにコスプレした弟の魁が、オレの股間の膨らみを一生懸命に愛撫している。
オレを気持ち良くしようと必死に舌や口を動かしている。
と同時に魁の頭や腰が上下する。
その姿が何だかとても艶かしくて。
そして何よりも。
魁の股間。
高校生という成熟途中のそれは大きく屹立し、魁の赤いスーツをグイグイと押し上げていた。
良く見れば、その先端がうっすらと滲んでいる。

「…ん、…ッ!!…クッ…!!」

オレの方も快感の波が次々に押し寄せてきている。
魁の舌が、唇が、オレの股間の情熱を舐め上げる。
裏筋、先端、オレの敏感な部分を知っているのでそこを徹底的に責めてくる。
ザリザリというスーツと魁の舌が擦れ合う音が鈍い音を奏でる。

「…上手…に…、…なった…な、…魁…」

役柄を越えて本気でそう思った。
最初はあんなに嫌がっていたのに。
あんなにオレに抵抗していたのに。
最近、本気で魁がかわいくて仕方がない。
生意気な部分もあるが、それでもオレにべったりで。

「…チィ…兄ィ…?」

気が付くと、魁がオレを不思議そうに見上げている。
無意識のうちに魁の頭の上に手を置いていたからだ。

「…あ…」

「どしたの、チィ兄ィ?気持ち良くない?」

「んなことねぇよ。ほら、続けて」

オレはそう言って魁の頭をクシャクシャと撫でた。

「…うん!」

すると魁は嬉しそうにニッコリと笑い、再びオレの股間を愛撫し始めた。

ズチュッ、ズチュッ…!!

淫猥な音を立てながら魁がオレのを愛撫し続ける。
魁の舌の動きがオレの先端を通じて伝わってくる。
物凄い快感がオレを襲う。

(…待てよ?)

さっき、魁が口にした言葉。

『気持ち良くない?』って言ったよな?
そしてオレが、『続けて』って言ったら魁は嬉しそうにオレのにしゃぶりついたよな?

(…ちょっと待て。その部分はシナリオにはない部分だぞ?)

そう考え始めた途端、言い様のない快感がオレを急襲した。

「…んッ、…んあッ!!…あッ!!…あッ!!」

下腹部の奥の方から込み上げてくる熱いもの。
快感と感動の波がオレを襲っている。

「…魁…、…魁ッ…!!」

オレは魁の頭をグッと掴み、腰を上下し始めた。

「…んッ!!…んぐ…ッ!!」

突然のことに魁がビックリし、体をバタバタとし始めた。
と同時に、オレの情熱への愛撫も止まった。
当然だろう。
だってその部分はシナリオにはないのだから。

「…あッ!!…あッ!!んああッ!!」

オレは徐々に込み上げてくるものに限界を感じていた。
今ココで魁に何かをされたら確実にイきそうなくらいだ。
だがその時、魁が待ち構えていたように攻撃を再開したのだ。
オレの情熱を握り直すと、それを口の中で上下し始めた。
と同時に、舌で先端を愛撫することも忘れなかった。

グチュッ、グチュグチュ…!!

淫猥な音が大きくなる。

「はああああっっっっ!!!!」

あまりの快感にオレは大声をあげてしまった。
その時、魁が一瞬ニヤリとしたように思えた。
『感じてるんだね、チィ兄ィ』と言わんばかりに。

「…魁ッ、…魁ィィッ!!」

その声に更に興奮したのか、魁がオレの股間の情熱を口から出すと、解放に向かって一気に上下し始めた。

「イかせてあげるよ、チィ兄ィッ!!」

「うああああっっっっ!!」

グチュグチュ、グチュグチュ…!!

オレは体を弓なりに仰け反らせ、叫び続ける。
スーツの外に自身を出している余裕なんてなかった。
そのくらい気持ち良くて。

「ああああっっっ!!!!イッ、イクゥゥゥッッッ!!」

下腹部から込み上げてくるものが限界に達した。
その瞬間、一気に緊張が解け、

ドブッ!!ドブッ!!ビュクビュク…ッ!!!!

オレのスーツの中で情熱が一気に弾けた。
スーツはみるみるうちに光沢を失い、その先端からは真っ白い粘着質な液体がドロドロと溢れてきた。
もうこの頃になるとシナリオなんてどうでも良かった。
魁の愛撫、魁の本当の気持ちを考えた時、オレの快感は最高潮に達し、あっけないほどに射精して果てたのだった。


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