課外授業 第21話
目の前に芳ネェがいた。
「…んな、…バカな…!!」
オレは声をあげずにはいられなかった。
芳ネェは今、麗ネェと一緒に買い物に出かけていて、当分は帰ってこないはずなのに。
「どうしたの、翼ちゃん?ポカンとしちゃって…?」
ポカンとするのも当たり前だ。
いないはずの芳ネェがいるだけじゃない。
何故か芳ネェは魔法変身してマジピンクになっている。
しかもマスクまでフル装備だ。
「…か、買い物に行ってたんじゃねぇのかよ!?」
「ああ、あれね。麗ちゃんに任せてきちゃったぁ♪」
「魁はッ!?」
「魁ちゃん?…魁ちゃんなんていなかったわよ?」
「…え?」
相当混乱している。
まずオレが大の字に縛られている。
しかも魔法変身して。
確か気を失う前に魁の姿を見たはずなのに…。
「それよりさぁ、翼ちゃん」
そう言うと芳ネェがオレのもとへ寄ってきた。
そしてオレの手をキュッと握った。
(!!)
ドキッとした。
芳ネェがいつもより妖しい雰囲気を醸し出している。
「今は私と翼ちゃんしかいないのよ?」
「…ほ、芳ネェ?」
「あなたをここに縛り付けたのは私よ」
「ほッ、芳ネェッ!?」
何か変だ。
今日の芳ネェはまるで誰かに操られているように。
「まッ、またインフェルシアに変なことされたのかよッ!?」
「え?」
きょとんとした声を出す芳ネェ。
「だッ、だってッ!!オレ達、兄弟だろッ!?こッ、こんなことおかしいだろうがッ!!」
「いいじゃない、翼ちゃん」
そう言うと芳ネェはオレの胸に右手を伸ばした。
「…ッ!!」
その刺激に思わず体を跳ねらせてしまった。
「お姉ちゃんが、翼ちゃんを気持ち良くしてあげる。二人だけの秘密、作っちゃいましょ?」
そう言うと芳ネェはオレの体をゆっくりと撫で始めた。
芳ネェのグローブと、オレのスーツが擦れ合い、ザワザワと音を立てる。
「やッ、止めろォッ!!芳ネェッ、止めてくれぇぇッッ!!」
自由に身動きが取れないまま、オレは必死に芳ネェの名前を呼び、体を捩じらそうと試みた。
しかしその動きが、逆に芳ネェの刺激を敏感にさせる。
(…やッ、…やべぇ…!!)
オレの体にジワジワと押し寄せてくる快楽。
その快楽を通じて、オレの男である部分がピクピクと蠢こうとしていた。
「フフフ。翼ちゃんが感じる場所、私には分かるんだから」
妖しい笑みをしたかと思うと、
「マジーロ・マジカッ!!」
と呪文を唱えた。
「私だけの特殊魔法だもん。これで翼ちゃんの性感帯を見つけて、たぁっぷり気持ち良くしてあげるね!」
そう言うと芳ネェはオレに馬乗りになってきた。
「やッ、止めろォォッッ!!止めてくれぇぇッッ!!」
オレが叫ぶが芳ネェはお構いなしのように、
「まずは、ここね♪」
と言ってオレの胸に手を伸ばしてきた。
そして両方の乳首を探し出し、キュッと握った。
「はぁぁぁッッッ!!!!」
思わず声をあげ、仰け反った。
凄まじいほどの電流がオレの体をビリビリと痺れさせる。
「ほぉら、ほらほらぁ」
芳ネェの手が蠢く。
オレの乳首をコリコリと掻いたり、乳首の周りをクルクルと回ったり。
「…んッ!!…ふッ、…うッ…!!…あぁッ!!」
自然と声があがってしまう。
懸命に押し殺そうとしても体が正直過ぎる。
「…くっ…、…そぉ…ッ!!…やぁめぇろぉぉっっっ!!!!」
泣きそうになりながらオレは必死に芳ネェに懇願する。
それでも芳ネェは攻撃を止めようとしない。
「…あ、…あ…あ…!!」
そうこうするうちに、オレは下半身の疼きを感じ始めていた。
ドクンドクンという脈動と共に、オレの股間の中心がムクムクと隆起し始めた。
(…や、…やべぇ…)
こんなのを、芳ネェに気付かれたら…。
しかし次の芳ネェの言葉が、オレを現実に引き戻した。
「あれ?あれあれぇ?」
気付かれた。
オレに馬乗りになったままの芳ネェが後ろを振り返り、オレの下半身を見下ろしている。
「感じちゃったんだぁ、翼ちゃん。ほらぁ、翼ちゃんのココ、勃っちゃってるよぉ?」
小馬鹿したように言う芳ネェに腹立たしさを感じ、同時に自身の体を呪った。
「ほらぁ、翼ちゃん。見てごらんよ」
芳ネェがオレの上から下りた。
「…うぅ、…うわあああっっっ!!!!」
オレは自身の股間を見て声をあげた。
勃起している。
大きく勃起したオレの情熱が光沢のある鮮やかな黄色のスーツを押し上げている。
「もっと気持ち良くしてあげるね」
そう言うと芳ネェがオレの股間に手を伸ばし始めた。
「やッ、止めろォォォッッッ!!」
オレは絶叫する。
しかしその絶叫も空しく、芳ネェの手はオレの股間に辿り着くと、その膨らみを優しく包み込んだ。
「ふああああっっっ!!!!」
その瞬間、物凄い電流が体を駆け抜け、オレは思わず大声をあげた。