処刑!メガレッド 第1話


21世紀に入ったばかりの日本は何者かの侵略によって大混乱に陥っていた。平和だった大都市に突如現れた魔物の群れ。
人々の目の前で魔物達は建物を破壊、略奪、そして抵抗する者の殺害と残忍極まりない行為を繰り返していた。
時の政府は自衛隊にその防衛を依頼したが如何せん、戦争のための自衛隊ではない。
そのために自衛隊の攻撃も魔物によってはくすぐったいものでしかなく、逆に壊滅状態に追い込まれてしまった。
そんな光景を見て一人怒りを覚えずにはいられない者がいた。伊達健太。
今はごく普通の大学生。
彼には人並み外れた正義感があり、残忍さを増す魔物達を放っておけずにいた。
彼は何を隠そう、電磁戦隊メガレンジャーの一員、メガレッドとして過去に邪電王国ネジレジアと壮絶な戦いを繰り広げたのだった。

「…許せねェッ!!」

健太は拳を強く握り締めた。
彼は建物の陰に隠れると両手を振り翳した。

「インストールッ!!」

健太は腕に付けたブレスレッドを操作しながら叫ぶ。
するとそのブレスレッドの中から特殊強化スーツが飛び出し、健太の体を覆った。
そのスーツは魔物のどんな攻撃にも耐えうる素材を使用していた。
どんな溶解液を浴びせられても溶けず、どんな高熱も極寒の状況にも耐えた。
普通の人間ならば即死してしまうようなダメージもそのスーツは守ってくれた。
だがそのスーツは数年前、健太がネジレジアと戦った時とは少し違っていた。
まず頭部を守るメットは取り除かれていた。
視界を良くするためだ。そしてもう1つ。
そのスーツ自体が体にピッタリ密着していると言うことだ。
その密着度は健太の逞しい肉体の腹筋の割れ目や腕、脚の筋肉をもくっきりと浮かび上がらせるのだった。
何よりも一番目立つのは彼の腹筋の下、2本の脚の付け根の部分に密かに息づいている、健太の男としての象徴、ペニス。
その形までもが密着によってくっきりと浮かび上がり、見ている者に妙な感情を抱かせた。
ましてやそのスーツはかなり光沢のある素材で、人や動物を興奮させると言う赤色だった。
そんなスーツを着て、健太は何匹と言う魔物を打ちのめして行った。
普段はごく普通の大学生としてキャンパスライフを満喫している健太が、インストールしてメガレッドに変身するとその性格が大きく変わる。
鮮やかな赤色のスーツに身を包み、大空を跳び、魔物を一刀両断に斬り捨てる。
彼は名声よりも正義感によってのみ動いていると言っても良かった。
だが健太にとって暗黒の日は訪れた。
どんなに滅ぼして行っても魔物は次から次へと容赦なく健太の前に姿を現す。
まるで何かに増産されているかのように。
数年前だったら仲間と一緒に戦えた。
だが今はその仲間もバラバラになり、消息さえ掴めない。
健太は次第に追い込まれて行った。
連日の過酷な戦いが彼の肉体、精神を蝕んで行った。
そしてとうとうある日、彼はほんの僅かな隙を突かれて囚われの身になってしまうのだった。


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