僕だけのヒーロー 第4話
「…う…ん…」
竜也さんを完全に縛り付けてから数分が過ぎました。
ようやく目を覚ましました。
その数分間は僕にとっては物凄く長い時間のように思われました。
「…シオン…。…!?」
竜也さんは意識がはっきりすると自分の置かれている状況に驚き、
「なっ、何だよ、コレッ!?」
と大声をあげました。
「なッ、何でオレはクロノチェンジしてんだよッ!?」
竜也さんはそう叫ぶとグルリと自分の体を見回し、その視線がアソコにいった途端、
「うわああああっっっっ!!」
と悲鳴をあげました。
「なッ、何で勃ってんだよッ!!」
そして目の前でニヤニヤしている僕を見つけて、
「シオンッ、お前ッ、どう言うつもりだよっ!!」
と僕を睨み付けてきました。
「やっと起きましたね、竜也さん?」
僕の心臓はドキドキと早鐘を打ち、アソコは更に大きく膨張しました。
その僕の膨張した部分に竜也さんの目がいき、驚いた表情で僕を見ています。
「バレたみたいですね。僕、実は前から竜也さんのことが好きだったんです」
僕はそう言うとデジカメを取り出し、今の竜也さんの無様な姿を写真に収めました。
「シオンッ、お前っ!!」
竜也さんが束縛から逃れようと必死に手足を動かします。
でも頑丈に縛り付けていたのでそういうわけにもいきません。
「…竜也さん…」
僕はそう言うと竜也さんの体に凭れかかりました。
「どっ、退いてよッ!!オレにはそんな趣味はないよッ!!」
竜也さんの怒鳴り声が頭上から降ってきます。
「竜也さんにそんな趣味がなくても、僕にはあるんですよね。竜也さんには僕だけのヒーロー、僕だけのタイムレッドになってもらいますから」
僕はそう言うと竜也さんと顔を近づけ、そして自分の唇を竜也さんの唇に当てました。
「!!」
その途端、竜也さんの目がカッと見開き、バタバタと暴れていたのも止まりました。
竜也さんの唇の感触、柔らかくて温かい。
今までに何人もの女の子としたであろう唇を僕が奪っています。
暫くして僕は唇を離しました。
「…シ…オ…ン…?」
竜也さんが僕を見つめています。
さっきまでの怒っている表情は消えていました。
「僕のファーストキス。大好きな竜也さんとしちゃいました」
僕がそう言うと竜也さんは一瞬、
「え?」
と声をあげました。
「もう1回、キスしていいですよね?」
僕はそう言うと再び顔を近付けました。
「やッ、止めろッ、シオンッ!!…う…んッ…!!」
竜也さんの言葉は僕のキスに消されました。
僕は竜也さんの唇を啄ばむようにしてキスをします。
そして舌をそっと出してみました。
その時でした。
舌がスルッと動いた感覚を覚えたのです。
「?」
僕が驚いて目を開けると、舌はなんと、竜也さんの口の中に入っていたのです。
そんなことをされては僕の暴走も止まらなくなります。
そのまま僕の舌は竜也さんの口の中を動き回りました。
竜也さんの歯、竜也さんの歯茎、竜也さんの口腔。
竜也さんの口の中を隈なく舐め回ります。
そして更に驚いたことは。
蠢いている僕の舌を絡み取るかのように、竜也さんの舌が僕の舌に絡まってきたんです。
「…ん…ふ…」
僕は甘い吐息を漏らします。
竜也さんのキスは物凄く上手くて、僕までがとろけそうになってしまうほどでした。
クチュ、クチュ…
いやらしい音が部屋に響いています。
そしてその時、僕を更に驚かせることが起こっていたのでした。